サンシーロの中へ〜2015/16チャンピオンズリーグ決勝〜
こんにちは。
前回の続き。偽物チケットを持って案内されたところ。
僕と同じフェイクチケットを持った人々が20人近くいた。
大きな柵の中に、机と椅子があり、5人くらいのスタッフが何かを書いている。
僕はパスポートとチケットを渡すように催促されたので、渡した。
スタッフたちは、フェイクチケットを持っていた人々の個人情報を記入していたのだ。
僕の個人情報もしっかり取られた。
OKと言われ、たった5分程で開放された。
OKと言われても、チケットないからスタジアムの敷地の外に出ていかなければ。
残りの所持金は、700ユーロ。
次、下手をこいたら、本当に試合が見れない。
ミラノまで来たんだ。この試合を見るために金を貯めた。
ずっとテレビで観て憧れてた場所。
死ぬまでに一度は、生で観てみたい。
明日死ぬか、来年死ぬかわからない。
だったら今すぐに観よう。
そう思って来た。
ここで諦めるわけにはいかない。
初めてのチャンピオンズリーグ決勝の地。
チケットを手に入れるのは、簡単じゃないとは思っていたが、本当に甘くなかった。
でも今度は大丈夫。
偽物と本物の違いはわかった。
一番重要な決定的な違いは、
チケットの裏側の真ん中の下辺りに、青いインクを付けて、滲み具合を確かめる場所があるのだ。(下の方に、本物のチケットの写真載せます。)
1センチ四方の正方形。
チケットの裏側は、ベースが白。
その1センチ四方の正方形も白だが、
若干色が違う白なのだ。
よーく見るとわかる。
若干色が違う、正方形が。
この正方形があるのが本物。
ないのが偽物。
もうひとつの違いは、決定的かどうかは定かではないのだが、
UEFA champions leagu fainal 2015/16
20:45
と書いてある下に、決勝の対戦カード
「real madrid vs atletico madrid」
とプリントされているかどうか。
僕のフェイクチケットにはなかった。
でもこの決勝の対戦カードが、プリントされているかどうかは、
決勝のカードが決まる前に発送されている場合は、プリントされていなく、
決勝のカード決まったあとに発送された場合は、プリントされているだけであって、
フェイクか本物かどうかを見極める、ポイントにはならないという話もあった。
とはいえ、決勝のカードが
プリントされている方が信憑性があるので、
二点について、注意してチケットを、探すことにした。
①インクをつける1センチ四方の正方形があるかどうか。
②決勝のカードがプリントされているかどうか。
あとは、値段との交渉である。
また、サンシーロスタジアム駅前に戻って観察した。
試合開始までは、2時間30分。
慎重に確実に。
立っているとよく声をかけられる。
「you need ticket?」
「you want to ticket?」
その度に、値段を聞く。
高ければ1100ユーロという人かいる。
相場は、800〜600ユーロだった。
800〜600ユーロの時は、チケットをみせてもらった。
本物かどうか確かめる。
1センチの正方形がある。
本物っぽい。
でも1度騙されているから、疑い深くなっている。
「この1センチの正方形も、偽物なんじゃないか。」と考えてしまう。
そう考え始めたら、偽物と本物の区別が出来ても、お金を渡す気になれない。
さらに、1センチの正方形があっても、その1センチの正方形ですら、チケットによって色が違うように見える。
1センチの正方形にも、本物と偽物があるのか。もうわからない。何も信じられない。
また、チケットを売る人はそれぞれポケットに折ってしまっていたりするから、紙と紙で擦れて、インクが少し消えてしまっていたりする。
それがまた不安になって買う気になれない。
このチケットは、値段は高いけどキレイだし、本物っぽい。
このチケットは、値段安いし、対戦カードも書いてあるし、1センチの正方形もあるけど、インクが擦れちゃってる。
このチケットは、値段安いし、対戦カードも書いてあるし、1センチの正方形が他のチケットとなんか違う。
このチケットは、値段安いし、1センチの正方形もあるけど、対戦カードが書いてない。
などなど、これ!と確証を得られる条件のチケットがなかなか見つからない。
2時間近く、値段を見てはチケットを確認する。
5人1人くらいは、明らかに1センチの正方形のない、偽物を売ろうとするやつもいた。
そして、スタジアムからは大きな歓声が聞こえてきた。アップで選手たちが出てきたのだろう。
早くスタジアムの中に入りたい。ここら辺で決断しよう。
そして、イギリス人たちが僕にチケットを売りにきた。
僕が値段を聞いて、考えていいると、別の男が入ってきた。
その男もチケットがほしいのだ。
その男も、本当に本物か?とすごく疑っている。
もし偽物だったらどうするんだ? と聞いている。
イギリス人たちは、ここにいるから戻ってくればいい、本物だから問題ないが、と言っている。
そして、その男はチケットを売ろうとする男にパスポートを見せるように言って確認する。
チケットを売りたい方も、本物であると信じてもらうために、自分の電話番号を教えたり、チケットについてのやり取りのメールを見せたりしている。
信じようとする方も必死だが、
信じてもらおうとする方も必死だ。
結局その男は600ユーロで買ってスタジアムへ行った。
僕はチケットを売ったイギリス人たちの様子を見ていた。そこから逃げようともしないし、態度も変わらない。同じところにずっといる。
それから10分が経ったが、その男は戻ってこなかった。
ということは、イギリス人たちが売っているチケットは本物だったのだ。
僕はそこまで確認して、定価440ユーロのカテゴリー1のチケットを500ユーロで買うことにした。良心的な値段だ。カテゴリー1は、たぶん一番見やすいスタジアム真ん中の席の一帯のことだ。
僕もその男と同じように、パスポートを見せてもらったり、電話番号をメモらせてもらった。
そのイギリス人は、僕たちはいろんな大会に必ずチケットを持っている。ワールドカップもらそうだ。
だから、おらたちに頼んでくれれば、いつもチケット用意するよと言っていた。
そして、試合開始の20分前、チケットとお金を交換した。
それでもゲートを入るまでは本物かどうかわからない。
チケットをもって急いでいった。
これがその時のチケット。
よくアップにしてみてもらえば、僕が散々言っていた少し色の違う1センチの正方形が見えますね?そこに青いインクが付いていますね?
僕は警備員のいるゲートを通って、先ほどフェイクと判断されたスタジアム入り口に行った。
チケットをスタッフに、渡す。
例の通り、写真の通り、青いインクを滲ませている。
5秒くらい、、、、、経ち
OK!
通してもらえた。
よかった😭本物だった。
次は、バーコードを読み込む。
ちょっと擦れていたから心配だったが、
読み込んだ。
サンシーロの中に入った!!!!
いやーーー泣きそう😭
チケット本物で本当によかった。
これで試合が観れる。
席はどの辺かな、見やすいかな。
階段を登りながら想像する。
いよいよ観れるんだ。
ずーーーっと観たかった生チャンピオンズ決勝。
今年の欧州No. 1チームが決まる瞬間を。