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レアルB試合観戦

こんにちは。


マドリードで盗難に遭って4日目。


マドリード楽しんじゃえ!

ってことで、マドリード在住10年のTさんから、「レアルBの試合の無料チケットあるから、行く?」とお誘いを頂いたので、レアルマドリードの練習場へ。


レアルの練習場は、郊外で空港の方にある。


マドリード中心地からメトロで30分ほど、乗り換えを二回。

最寄り駅到着ですが、ここから歩いて20〜30分。


レアルBの試合が行われるエスタディオアルフレッド・ディ・ステファノに到着。

アルフレッド・ディ・ステファノは、レアルのレジェンド。レアル史上最高の選手と言われていて、スタジアムの名前にもなっている。収容人数は、6000人。


スタジアムを囲むようにして、今まで獲得した大きなトルフィーのモニュメントがある。

写真とっておけば良かった。レアルファンの方、申し訳ありません。


驚いたことが、CLの前身、チャンピオンズカップのトルフィーが、5大会連続で並んでいる。しかも、チャンピオンズカップの第一回から第五回まで。

なるほど。これが、レアルマドリードが世界最高クラブと言われる由縁か。

ヨーロッパNo. 1を決める大会が作られ、初代チャンピオンになり、そこから5回連続で優勝しているから、レアルの歴史、サポーターには、我々がNo. 1クラブだという誇りがあるんだろう。

No. 1になりたいのではなくて、No. 1でなければいけないクラブなんだ。

そういった精神が、受け継がれて、子供達にも刷り込まれていくんだ。


しつこいのは承知ですが、言わせてもらいます。

これが文化だ。


Tさんは、レアルマドリードが好き過ぎて、マドリードに住んでしまったという、真のマドリードファン。

レアルの試合が観たいから、レアルのそばにいたいから、マドリードに移住している。

欧州サッカー観戦したいから、ミュンヘンに来てしまった僕と似ている部分がある。

従って、話も弾む。


「レアルのファンは、試合を観に行くのではなく、オペラを観に行く、と言われている。それは勝つことは最初からレアルと決まっていて、どんな内容で勝つかを楽しみに観に行くんだ。ショーを観に行くのと同じなんだ。負けることは絶対に許されない。だから、批判やヤジもすごいんだよ。


オペラを観に行く⁉︎そんなこと考えたこともない。


スタジアムの中へ入った。

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三部の試合でこんなにお客さんがはいるのか。2000人くらいいる。


レアルBは勝てば、首位決定だったか、勝ち点を落とせない試合。

相手も降格争い中で、負けられない試合。


レアルBには、ノルウェーの若き天才エデゴーがいる。youtubeで卓越したテクニックとドリブルを観たことはあったが、生で観るのは初めてのなので、興奮した。

そして、10番をつけてワントップにいるのが、ジダンの息子だった。背格好も似ているし、動きも似ている。間違いなくジダンの息子だとわかった。

試合は、レアルが先制。途中相手の強烈なミドルシュートで追いつかれたが、終了間際に、レアルが決めて2-1でレアルBが勝った。

エデゴーのテクニックは、素晴らしかった。

日本人が好きそうなテクニックが高い選手である。

エデゴーは、19歳。僕は、エデゴーはトップに上げてもいいんじゃないかと、Tさんに質問してみた。

「レアルの中盤には、モドリッチ、クロースがいる。ハメスと、イスコですら、サブのことが多い。そこにエデゴーが入っていくのは、厳しい。エデゴーのような才能ある選手でも、レアルに入って、レギュラーを取り続けることは難しいんだ。エデゴーは、テクニックがあるけど、そのテクニックが試合に効果的に出ているか、そこが重要なんだ。」

確かに、エデゴーはボールを触れば細かくて、柔らかいタッチをするが、決定的なシュート、パス、クロスをしたかといえば、少なかった。


試合も熱かったが、それ以上に熱かったのが、スタンドのサポーターたちだった。

相手の選手が、危険なファールをすれば激しくブーイング。そのプレーが終わったあとでも、そのファールをした選手がボールを持てば、容赦なくブーイング。

下位のクラブに向かって、

「出て行け!四部へ落ちろ!!」

とヤジを飛ばす。

それも少しの特定のサポーターだけではないのだ。ほとんどのサポーターが、ヤジを飛ばし、ピッチに向かって叫んでいる。

レアルのサポーターは、審判にも厳しかった。審判のジャッジが少しでもおかしかったり、相手よりだったら、許さない。叫び、怒り、批判をする。

レアルBの選手たちには、よいプレーをすれば温かい拍手が。悪いプレーをすれば、怒りをぶつける。とにかく、ワンプレー、ワンプレーに激しく反応し、ゲームに参加している。

それはそれは物凄い勢いで、慣れていない人は恐くなってしまうほどである。

こんな環境が、毎週毎週あれば、嫌でも選手は育つだろう。サポーターが育てていると言っても過言ではない。

このサポーターのヤジが、批判が、レアルの強さの秘訣と言えるかもしれない。

これだけ監視されていたら、選手たちはサボれないし、いい加減なプレーはできない。

だれも批判されるくらいなら、拍手がほしいはずだ。


試合が終わり、駅へ向かって歩いていた。

Tさんと話していると、以前レアルで監督をしていたアンチェロッティの話題に。

アンチェロッティが監督の時は、上手く機能していてよかったですよね。」

アンチェロッティは、レアルの歴代監督の中でも唯一レアルのサポーターから解任を惜しまれた監督だったよ。」


批判してヤジを容赦なく飛ばす、レアルサポーターが唯一別れを惜しんだ監督がアンチェロッティ


「でもアンチェロッティって、あまり話題に上がらないですよね。戦術についても、指導についても、あまり注目されないですよね。だから、よい指導しているか、どんな指導しているかもわからないですけどね。」


「審判でもよく言うでしょ?話題に上がらない審判はよい審判だって。審判の存在が気にならないほど、上手く試合が運ばれていて、選手に注目が集まっているということ。

アンチェロッティは、選手の能力を引き出すのが上手い監督なんじゃないかな。だからあまり話題に上がらないけど、優秀な監督なんだ。」


なるほどーーーーーーー!!!!

この話を聞けたこと、マドリードに来て一番の収穫かもしれない。

盗難に遭ってよかった!笑

この話を聞かずに、ミュンヘンに帰っていたら、MacBook より、もったいないだろう。笑


やはり、メディアに話が上がるのは、個性的で自分の戦術をしっかりと持った、モウリーニョグアルディオラが多い。

アンチェロッティは、ACミランでも、レアルでもチャンピオンズを優勝をした監督だ。

それでも、そんなに注目されない。


そこに新たな視点。


話題に上がらない監督は選手の能力を引き出す優秀な監督だなんて。


アンチェロッティにも興味が湧いてきてしまった。


アンチェロッティ来季、バイエルン・ミュンヘンの監督じゃん!

ラッキー!グラウンドまた観に行こう!!


そしてそして、これは予想だけど、

バイエルンの選手たちは、グアルディオラの戦術に沿って、ガチガチのボールポゼッションのサッカーをしている。新たな戦術を学べる喜びもあっただろうが、窮屈に感じている部分もあるはずだ。

そこへ、選手を信頼し、選手の能力を引き出すのが得意なアンチェロッティが来る。グアルディオラの時よりも、バイエルンの選手たちは自由にのびのびとプレーできふんじゃないか。

アンチェロッティは、バイエルンで成功できるんじゃないかと考えてしまう。


そして、止まらないサッカーの話のあとは、

Tさんがマドリードで有名なアルゼンチン料理のお店「Le Maria」に連れて行ってくれた。

店の中には、カシージャスモウリーニョシメオネの写真など、有名サッカー選手の写真がずらり。

お昼のランチコースで10ユーロ。

サラダ

ジャガイモのホイル焼き

肉料理

パン

ドリンク

デザート。

どれも美味しかったーー。

お店も大盛況で、いいところを教えてもらえたな。


Tさん、本当にいろいろ教えて頂きありがとうございました。たくさん勉強になりました。また、マドリードへ来たら連絡します!


Tさんに別れを告げ、ホステルへと帰るのでした。