マドリードで盗難に遭う⁉︎(3)
こんにちは。
マドリードで盗難に遭う⁉︎(2)の続き。
「家に泊めてあげるよ!」と声をかけてきた、見知らぬ二人の家に着いたところ。
ソファに座って、三人で喋っていた。
よく喋る方の男が、
「自分もサッカー選手を目指していたんだけど、交通事故に遭って怪我をしてしまってから、全然いいプレーができなくなって、ダメになってしまったんだよ。」
と言って、傷跡まで見せてくれた。
可哀想に大変だったんだなと感情移入してしまう僕。
サッカーが好きなだけで、気持ちが通じ合う、なんて思ってしまった。
そして、
もう一人の男が
「もう寝ていいよ。それともディスコに行く?」
と言った。
僕は「もう寝るよ。」と言ったが、
ディスコに行きたそうな二人。
もしもこの二人がいい奴らだったとしたら、三人でディスコに行って遊んで帰って、次の日バイバイして、またマドリード来る時には、連絡してよ!なんてなったら最高だなと思った。
それに、もし二人が本当にいい奴らだったら、信じない僕はなんか嫌なやつだなとも思えた。
このまま寝て無難に朝を迎えるのはつまらない。荷物を盗まれる可能性はあるにしても、楽しく遊んで無事に帰って来れるなら、それのほうが面白いなと思った。ワクワクと好奇心が勝ってしまう。安全より冒険を選んでしまう。
まぁ、裏切られてもいい!信じてみよう!
僕は、財布とiPhoneをポケット入れた。
んーーーーパスポートはどうしよう、持って行こうかな、いやいっか。
そして、二人に向かって言った
「confianza (信頼)」
二人も繰り返した
「confianza (信頼)」
僕はもう一度
「confianza 」
二人ももう一度
「confianza」
そして、僕はMacbookとパスポートの入ったリュックを見知らぬ男の家に置いて、外に出た。
もし逃げられそうになっても、この二人を取っ捕まえればいいやと思いながら、歩いていた。
10分ほど歩いてディスコに着いた。
下のフロアに行ったり、外にタバコを吸いに行ったり出たり入ったりを繰り返していた。
その間に、彼らは友達と会って話をしたりしていた。
二人に逃げられないよう、常に視線を外さないように。
10分ほど経って、
よく喋る方の男が、友達だよと言って、ブラジル人の女性を紹介して来た。そのブラジル人女性は、僕にハグをして、そのまま話しかけてきた。
その瞬間、ヤバイっ!
目を離した!と思って、二人の姿を探した。
いないっ!!
ディスコの外に出て探してもいない!
そこに男たちの友だちがいたので、二人はどこにいる?と聞いてみた。
「タクシーに乗ってどこかへ行ったよ。」
最悪最悪最悪最悪。
やられた。
「二人の家に、リュックを置いてきたんだ!Macbookが入っていて、大事なんだ!」
とその友達にいった。
その友達は、よく喋る方の男に電話してくれたが出ない。「きっと家に帰ったんだよ。家を知ってるから案内するよ。」
と言って案内し始めてくれた。
ほぼ諦めながら、歩いた。
この友達二人が、本当にリュックがある家まで、送り届けてくれればまだ取り返せる可能性はあるかもしれないが。
そして、その家の下に着いた。本当にこの家か定かではない。なんとなくあってるような合ってないような。
インターフォンを押すが結局出ない。
その友だちたちも帰ってしまった。
このまま家の前で待つか、
いやすぐに警察に行った方がいいなと思い、
すぐ近くにる最初に立ち寄った24時間のスーパーに警察の場所を聞きに行った。
そして、そこにいた警備員のおじさんに全て話した。
二人の男の名前を言うと、警備員のおじさんは「カルテティスタ」と言った。
カルテティスタってなにかと言うと
スリです。笑
はい!確定!!やっぱりあの男二人スリでした。
リュック丸ごとやられました。
買って一ヶ月のMacbook、パスポートやられました。
もう最悪最悪最悪でした。
イライラと絶望感。
人に騙される、人に物を盗まれる、
ってこういうことかと。
自分が大事にしているものが盗まれるってこんな気持かと。
そして、リュック一つで日本からやってきた僕はたった5日目で、着替えも生活用品も全て失いました。
着てる服と靴と財布とiPhoneだけで、マドリードにいることになりました。笑
財布とiPhoneがあるだけ救いですが。
絶望の中、マドリードの夜中4時、歩いて警察に向かうのでした。
なんて自分は、バカなんだろう。
見知らぬ人に付いていって、信じて、騙されるなんて。浮かれていた。完璧に浮かれていた。