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ユーロ2016決勝 フランス対ポルトガル 生観戦 in スタッド ドゥ フランス


こんにちは。


ユーロ2016決勝生観戦してきました。


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まずは、ユーロ2016決勝の地、パリ

スタッド ドゥ フランス への行き方。


chatlet駅(パリの中心駅、下の地図の中央)からB線に乗って二つ。

stade du frans 駅(下の地図の中央から少し上)から歩いて10分。


・パリ路線地図

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セレモニー終了後、キックオフ。


立ち上がりは、フランスが前からプレスをかけて相手陣地でボールを奪い、いいスタートをみせたが、先制点は取れなかった。


ポルトガルは、ペペ・フォンテ・ウィリアムの中央の三角形の守備が非常に固く、これまで好調だったフランスのジルーとグリーズマンを抑えた。


ロナウド交代前も後も、MFとFWがプレスバックをして全員で運動量のある守備をしていた。奪ったボールは、バックパスや横パスは少なくシンプルにボールを前に運び、後ろからボールを追い越すように選手が湧き出ていた。


フランスは、ジルーやグリーズマンやパイェにマークが集中しているところ、空いてる中央のスペースでシッソコがボールをもらい、スピードのある中央突破からチャンスを作った。


サイド攻撃が主流の現代サッカーで、警戒されていない選手が中央でスピードを活かすというのは、興味深い戦術だった。駆け引きとしては面白い選択だったと思う。


バルサの影響からボールポゼッションして、遠回りしてゴールに近づいていくことが流行ったあと、

今はゴールへの最短距離の近道が、空いてるのかもしれない。


サッカーでは、予想外のことが起きると対応しづらいものだ。

パスを繋いで、サイドから攻めてくるだろうと、考えていたり、考えていなくても無意識に身体が動いてしまって、中央が空いたと考えられる。


後半、フランスは前から守備をする戦術ではなかった。ときおり最終ラインにプレスにいくが、取り所が決まっているようには見えなかった。


あまり攻撃的に出ないフランス。ポルトガルは0-0で延長戦でもアウェイであるから十分だろう。

フランスはそうはいかない。ホームであるから、もっと攻撃の姿勢を見せなければならない。


58分。これまで好調のパイェに替えて、コーマン投入。

これがデシャン監督の攻撃的に出るための策なのだろう。パイェはそんなに悪くなかったが、よりスピードのあるコーマンを選んだ。


コーマンは確かにチャンスを作り流れを変えたが、イージーなミスで何度もポルトガルのカウンターを引き起こした。

遅攻のフランスの中で、コーマンのスピードは生かし切れてない。

コーマンが作り出したのは、ピンチの方が多かった。

コーマン交代は、失敗だったのではないか。何度も悪い取られ方をして、足を引っ張ってようにしか見えなかった。


攻撃的に出たかったのであれば、マントゥイティに守備をまかせて、ポグバをもっと高い位置に置いた方が良かったのではないか。


また前から守備をして、相手陣地でボールを奪って早く攻めた方が良かったのではないか。


フランスは残り15分になっても、点が入らない。それでも人数をかけて攻めようとはしない。ホームで0-0で90分を終えたら、ポルトガル有利としか言えない。

フランスは終了間際決定的チャンスを作るが物に出来ない。

フランスはもっと早い時間から攻めの姿勢を見せて、決定的チャンスをあと2回3回つくる必要があった。

そういった点も踏まえて、コーマン交代は失敗だっただろう。

コーマンは延長戦の切り札に使うべきだった。残り30分で、攻撃のギアを入れる選手としては、あまりに活躍を計算できる選手ではなかった。


そして、ポルトガルの思惑通りに延長戦に入ってしまった。


延長戦に入ってしまえば、どんどん一か八かのPK戦に向かっていく。そうするとホームのフランスは焦る。ポルトガルは焦ったフランスの隙を狙える。


延長戦に入るまえの休憩時、印象的だったことはロナウドが絶えず仲間たちを励ましていたことだ。

スタジアムのオーロラビジョンに、ロナウドが仲間に声をかけている姿が映った。ロナウドが仲間を励ますイメージがなかったので驚いた。
このようなイメージがないのは、ロナウドがベンチにいることなどほとんどないからかもしれない。
そして更に驚いたことは、カメラが映っていない時でも、たくさんの選手の肩に腕をかけ、励まし続けていたことだ。その姿にはエネルギーが満ち溢れていて、「行くぞ!勝つぞ!」という執念が伝わってきた。

そして、延長戦。

試合後、ロナウドが監督のようだったと話題になっているが、まさにその通りだった。

通常テクニカルエリアに出てきて、指示をするのは監督一人であるが、この日の延長戦、ポルトガル代表の監督の隣には、左膝にテーピングを巻いたエース、ロナウドが立っていた。

ほとんどサッカーのシーンで見たことがない光景だった。

驚愕だったのは、選手であるロナウドが監督以上に声を出し、激しく身振り手振りをして指示をしていたことだ。
どっちが監督かわからない。

チームメイトが、ケガをしてピッチの外に出た時には、相手のテクニカルエリアの前にも関わらず、その選手のところへ行って、身体を抑えて、すぐにピッチに戻るように指示していた。

その姿はまさに、必死だった。

その後ポルトガルに待望のゴールが生まれたあと、攻め込んですぐに自陣に戻らない選手に対して、
両手を使って、全身で「退がれ!」と指示。
怒ってるかのような身振り手振りで、渾身の力が込められていた。

ロナウド一人のパワーが強く伝わってきた。

一方フランスのエースは、最後まで極端にボールタッチ数が少なかった。マークをしたウィリアムを褒めるしかない


また、エデルの得点シーンでは、コシェルニーがイエローカードをためらって、タックルに行けなかったという話も出てるが、スタンドにいた僕はエデルとコシェルニーに競り合っているとき、主審の笛と似たような音の笛の音がピーーーーッと聞こえた。その笛で、一瞬ファールかなと思って戦術たちの動きが止まったように見えた。その中でドリブルをつづけたエデルがフリーズになったと思っている。
実際あのゴールは、ポルトガルサポーターが多くいるスタンドの前だったので、誰かが笛を鳴らしたのかもしれない。

そのゴールでリードしたまま、ポルトガルあるは上手く時間を使っていく。ファールをもらったり、倒れたり、イエローカードをもらったり、時間の減らし方が上手かった。

そして、試合終了。
静まりかえるフランスサポーター。

少ないポルトガルサポーターが大喜びしていた。

試合中は、ほとんどブーイングをしたりせず、行儀よく応援していたフランスサポーターだったが、さすがにイライラしたのか、ポルトガルサポーターにゴミを投げつけていた。

街では、ポルトガル人のお店の前では人だかりが出来ていて大騒ぎ。
道路に何人も飛び出して、来る車来る車止めていた。
邪魔をして、騒いでるポルトガルサポーターに、クラクションが鳴り響いていた。

試合後にクラクションが鳴り響く理由がわかった。騒いで鳴らしているというより、車が動かないからみんなイライラしてクラクションを鳴らしているんだ。もちろんハイテンションになってクラクションを鳴らしている人もいるだろうけど。

アウェイのポルトガルが初のEURO優勝。
何が起きるかわからない。前評判通りにはいかない。サッカーは面白い。

ポルトガルが優勝したパリでは、クラクションが鳴り響いていた。


フランスが勝っていたら、この何倍もクラクションが鳴っていただろう。


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