ユーロ2016準決勝ポルトガル対ウェールズ in オリンピックパークリヨン
こんにちは。
ユーロ2016準決勝ポルトガル対ウェールズを見るためにリヨンにやってきました。
リヨンの中心地、part dieu 駅の目の前のバスターミナルにバスは止まった。
part dieu 駅は、スマホやパソコンなどを充電するコンセントが多くあって便利。
机にコンセントを入れるところがあり、イスにはペダルが付いていて、自分で発電しながら、充電するところもあった。ユニーク。
駅の入り口には警察が待機。バスや電車を待つための広い待合室もあるので、治安もよくとても安全。待合室には強いフリーWi-Fiがあるのでとても便利。
試合まで時間があったので、街を散策。
リヨンの広場。
テラス席。
試合時間に近くなったので、移動。
オリンピックパークリヨンまでの行き方はとても簡単。
part dieu 駅の目の前にあるT3の路面電車で一本。
Meyzieu方面に、15〜20分。
decine grand large 駅で降りて、歩いて10分ほど。
路面電車を降りたら、スタジアムが見える。
下の地図を参考に。
中央左寄りに、part dieu駅。まっすぐ右の端まである紫の線がT3。右端の折れ曲がっているところの手前の駅が、decine grand large 駅。
ちなみに他のネットの情報では、オリンピックパークリヨンは、stated de gerland 駅からすぐ近くのstated de gerlandという情報もあるが、これは全く別のスタジアムで位置も真逆。お気をつけて。
スタジアムの外観撮るの忘れしまったけど、
最近できたばかりとあって、とても大きくて綺麗なスタジアム。
僕の席はこんな感じ。
カテゴリー3の席で、前のほうだったので、ピッチから近くとても見やすかった。
いつもは全体が見える上の席に座るのだが、今日は選手を近くで見ることができた。ボディコンタクトの激しさやワンプレー、ワンプレーの迫力が直に伝わってくるので良い。
ポルトガルの方はやはり、ロナウドの動きが光っていた。ボールを持った時のプレーはもちろんすごいのだが、ボールをもらう前の動きが印象的だった。
テレビ観戦と違って、生観戦の良いところは、テレビでは映らない選手の動きを見れるところにある。
ロナウドは、フリーでボールをもらうために、動き出すスタート地点から走るコース、走るスピード、どこでスピードを上げるか、スピードを落とすか、どこで走るコースを変えるか、常に考え、繰り返している。
特に、急にスピードを上げたり、急に走るコースを変えたりすることで、一瞬でマークを離してボールをもらえるスペースを作ってしまう。
またその一つ一つの動きが、テレビで観るよりも、当然肉眼で生で見た方が、よりリアリティに鮮明に躍動的に見える。
テレビで速いと思った選手は、より速く。
テレビで視野が広いと思った選手は、より視野が広く。
テレビで当たりが強いと思った選手は、より強く見える。
今やネットで世界中の動画が見えるけど、目の当たりにすることには勝らない。
目の当たりにすることは、視覚的な違いだけでなく、感覚的にも、自分の中に取り込む受け取り方も違う。感覚的な受け取り方が違えば、考え方も変わってくる。
動画も、細かい静止画の連続に過ぎない。
ロナウドが、2点目をアシストする前に、ボールを受けたシーンがある。中央でボールを持つ選手から、ボールをもらうために左に開きながら前方に進んでいたのだが、一瞬にしてバックステップを踏みマークを離してボールを受けた。
そのバックステップを見た瞬間に僕は「ん!?」と思った。
こんなに速くて軽やかなバックステップ、今までのサッカー人生で見たことない。一瞬にして、3〜5m離れてフリーになっていた。
前進している身体の運びから、バックステップを踏むまでの身体の運びが、スムーズで軽くて速い。
大袈裟にいえば、宙に浮いてるんじゃないかと思ってしまう。
この感覚は、バルセロナユースに所属していた韓国人のイ・スンウを観たときの感覚と似ている。イ・スンウも軽やかで速かったが、ロナウドほどのバックステップはしていなかった。
その後もロナウドのボールをもらう前の動きには驚いた。
左サイドで味方が前を向いてボールを持った。いつでもパスを出せる状態である。
ロナウドは、マークしている選手の背後、ファーサイドを狙って全力で走っていく。
僕はファーでもらって、そのままシュート行くんだなと思った瞬間、全力で走っていると思ったロナウドが急に走る方向をファーサイドからニアサイドにコースを切り替えた。さらにもう一段階スピードが速くなった。
一瞬にしてマークは振り切られて、ロナウドはフリーになったが、ボールは出てこなかった。
ロナウドは常に、パスが来ようと来なかろうと、ボールをもらうための動きを繰り返していた。
点を取るために、妥協を許さない。
こういった姿勢が、多くのゴールを生み、たくさんの人から愛される選手なんだろうと感じた。
ロナウドは身長も高く、顔も整っているし、筋肉隆々、富と名声を勝ち得ているだけに、敵も多い。なぜなら完璧過ぎるからだ。妬みや僻みを受けてもしょうがない。
でも、スタンドからピッチにいるロナウドのプレーを観たら何も悪いことは言えない。
ゴールを決めるために努力を惜しまず、妥協を許さず、走り続ける真っ直ぐな姿勢を見たら、凄い、素晴らしいとしか言いようがない。大量に点を取るのも頷ける。ロナウドが自分のプレーを努力と思っているかはわからないが、きっと点を取りたいただ一心なのだろう。
また今大会、ポルトガルが躍進し、ロナウドがたくさんのゴールを決めれたのは、来季バイエルンに加入するレナト・サンチェスの活躍も忘れられない。
サンチェスが中盤で競り負けず、マイボールにして、前にボールを運べることで、ロナウドがゴールに近い位置でプレーできた。
この日もサンチェスは活躍していた。
キープ力があり、ポゼッション脳力も高いが相手を抜き去るスピードもある。
非常に有能な選手だ。
対してウェールズの方は、ベイル一人ではどうにもできなかったという印象だ。
ベイルは、再三中盤の位置まで下がってきて、DFラインからボールを受けてゲームを組み立てようとした。普段の自分のクラブであれば、モドリッチがやっているようなプレーをしていた。
やろうして、それなりにボランチの動きができてしまうベイルも凄いなと思ったが、ベイルは自分でゲームを組み立てつつ、ゴール前に入っていって得点も狙おうとしていた。
守備も攻撃も手を抜かない全力プレー。
こんなに身体を張って頑張る選手なんだなと、本当に負けん気の強い選手なんだなとピッチからスタンドに伝わってきた。
さすがに、一人で二つのプレーをこなすのは簡単ではなかったが、ベイルは最後の最後まで諦めることなくプレーしていた。
終了間際に、ポルトガルのゴールキックになった時にはすぐさまボールを拾って、試合がすぐに再開されるようにしていた。素晴らしいスポーツマンシップ。
2-0で負けていて、思うように攻められずイライラするような時間帯でも、自分がファールで倒してしまった選手には、手を差し伸べて立ち上がらせていた。紳士の行動。一流の証しだった。
ベイルが一番得点を決めそうだった場面は、右サイドから放った得意の無回転シュート。
目の前でみたベイルの無回転シュートは、本当に速く、そして曲がる。
はじめキーパーの左の足元に落ちそうなボールは、ぐんっとブレて、キーパーの逆の右足の方に曲がっていった。入った!と思ったが、間一髪のところで、キーパーが防いだ。
入ってもおかしくないシュートだった。
ゴールから離れたところからでも、キーパーに脅威を与え、ゴールになる可能性を持った無回転シュートは、これからのサッカー界で重宝されるかもしれない。
チーム練習で、全員が無回転シュートの練習をしてもおかしくない。全員で練習するだけの価値がある危険なシュートだと思う。
二点をリードしたポルトガルは、守りを固め逃げ切りに入った。チャンスがあれば、とどめの三点目を決める可能性を感じさせながら。
一点を返したいウェールズは、ベイル一人ではゴールまで辿り着けなかった。
ラムジーがいたら、また違った展開に、、、と考えてしまうが、
そのまま試合終了。
ウェールズの快進撃はここで終わってしまったが、ウェールズという小さな国に夢や希望を与えたことは間違いない。この快進撃を見て育った子供たちが、次のステージへの壁を破るかもしれない。