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ブンデスリーガ[2015/16]シャルケvsバイエルン(前半)

今週末2016/4/16に控えたブンデスリーガ[2015/16]バイエルンvsシャルケ戦を前に、前節のシャルケvsバイエルン戦を分析します。

 

[スタメン] 5-4-1

シャルケ

GK 1 フェーアマン

左SB 15 アオゴ

CB 33 ノイシュテッター

CB 4 ヘーベデス

CB 32 マティブ

右SB 27 リーター

左SH 7 マイヤー

ボランチ 8 ゴレツカ

ボランチ 23 ホイビェア

右SH 19 サネ

FW 25 フンテラール

 

[スタメン]4-1-4-1

バイエルン

GK 1 ノイアー

左SB 27 アラバ

CB 5 べナティア

CB 8 ハビ・マルティネス

右SB 21 ラーム

ボランチ 14 シャビ・アロンソ

左SH 11 ドウグラス・コスタ

インサイドハーフ 23 ビダル

インサイドハーフ 25 ミュラー

右SH 10 ロッベン

FW レヴァンドフスキ

 

[試合内容]

大まかな前半の内容として、シャルケの守備は、前からプレスにいかず、5バックの前に中盤4枚、FW1枚の全員で守りを固める。攻撃は奪ったらサネにボールを集めてカウンターを仕掛けるといった一つの狙いしかなく、バリエーションのない攻撃だった。

バイエルンは、いつも通りボールをポゼッションして、引いてる相手を崩そうという展開。立ち上がりから、アロンソから前の5人が頻繁にポジションチェンジをするものの、危険なエリアでフリーの選手を作ることができず、5バックで更に全員守備のシャルケに対し、苦戦を強いてる状態であった。バイエルンの守備は、サネをどう止めるかが重要なポイント。バイエルンは、アラバがサネの対応をし、スピードを殺したところに、ビダルとコスタが挟むことで対応していた。

初めチャンスを作ったのは、バイエルンだった。しかし、自ら作ったチャンスではなかった。シャルケは、バイエルンに押し込まれ、自陣深くでボールを奪うが、奪ったボールを繋ぐことができずに、せっかく奪ったボールをすぐに失っていた。サネを狙う以外に、サポートもなく、バイエルンのプレスをかわすことができなかった。バイエルンのチャンスは、シャルケに奪われたボールをすぐに奪い返して攻めるショートカウンターでしか、決定的なチャンスをつくれなかった。シャルケの5バックの前に4枚の中盤を引かせて人数をかけて守る守備でも、ボールを奪ったあとは、安堵感からか一瞬足が止まり、バイエルンにスペースを与えてしまっていたのだ。

先制点は、9分、バイエルンだった。

立ち上がりから、左サイドのドウグラス・コスタが、積極的にドリブルを仕掛け、縦に突破し左足のクロスを狙う。前半9分、早速3回目のCKを取ったコスタ。

CKを取ったコスタは、そのまま走ってボールをセット。シャルケDFの準備が整う前にクロスを上げた。

フリーのビダルがシュートを打つが当たり損ね。そのボールをマティブはクリアするが、クリアは小さく、ペナルティ左外側で待ち受けるアラバの元へ転がっていった。アラバがダイレクトで強烈なシュートを放ち、シャルケDFに当たりコースが変わってキーパーとは逆のゴールに吸い込まれた。

バイエルンとしては望んでいた早い時間の価値のある先制点となった。

このゴールのポイントは3つ。

1つ目は、コスタの積極性とアイデア。前半9分で3回目のCKというは、コーナーを取るペースとしては早い。これだけCKを取り、相手の脅威となれたのは、コスタの縦に仕掛ける積極性があったからである。更に時間をかけずに、シャルケDFが整う前にCKからのクロスを上げたアイデアと駆け引きは、このゴールが生まれた大きな要因となっていた。

2つ目は、マティブのクリアの悪さ。マティブのクリアした場所が非常悪かった。映像を見ると、精いっぱいのクリアにも見えるが、もっと大きくクリアできたのではないかと思える部分もある。コスタのクイックスタートにより、準備が出来ていなかったことも影響していると考えられるが、最大の集中力を持っていたら、大きなクリアも可能でらあったように見える。

3つ目は、アラバの積極的なシュート。少し距離もあり、ゴール前にDFもたくさんいたが、アラバの積極性により、相手に当たってコースが変わりゴールが生まれた。ラッキーなゴールと捉えることもできるが、積極的な姿勢が運を味方に付けたゴールだ。

バイエルンの前へ、ゴールへ、という姿勢が生んだゴールである。

その後もバイエルンは、ボールを支配するが、相手に危険を与えるボール回しとは言えず、ショートカウンターで時たまチャンスを作っていた。

前半17分、シャルケがマイヤーのゴールで1点を返す。警戒していたサネのカウンターからだった。

このカウンターを引き出してしまったのは、ハビ・マルティネスだった。

この試合、何度も右サイドのロッベンや左のインサイドハーフビダルが中央にきて、DFからのロングボールで、シャルケCBの裏を狙うようなランニングを繰り返し、そこに向けてボールが出ていた。

同じように、最終ラインでハビ・マルティネスがボールをもらった時も同じように、ビダルシャルケ左SBとCBの間のスペースを狙ってタイミングよくランニングしていた。ロングボールが上手く通れば1点取れる、そんな状況のため、ハビ・マルティネスの狙ったスペース・タイミングはよく、良い判断ではあったが、キックの精度が乱れビダルが触ることなく、シャルケ右SBのリーターの頭にクリアされてしまう。そのクリアボールを拾ったのは突破力と決定力を兼ね備えた注目の若手のサネ。サネは、トラップすると勢いよく寄せてくるアラバの動きを感じて、リフティングのようにボールを浮かして、アラバと入れ替わってしまう。さらに奪いにきたシャビアロンソも奪い損ねてしまい、スピードで置き去りにしてしまう。スピードに乗ったサネは、サイドを走るマイヤーにパスをして自分はゴール前に。マイヤーはラームと一対一となる。ラームは縦を切り、中にいるDFと二枚で止めようとするが、そこにいるはずのハビ・マルティネスがいない。ハビ・マルティネスは、サネを警戒してさらにゴール方向へと走っていたのだ。そして、シュートコースがみえたマイヤーは、ゴール右隅に流し込んだ。

ハビ・マルティネスのサネのカウンターを引き出すキックミスは、非常に痛い結果となった。サネにとっては、バイエルン相手に自分のスピードと突破力、大きなポテンシャルを示す素晴らしい機会となった。 バイエルンとしては、このような失点がないように対策を取らなければならない。逆にシャルケは、もう一度このような形でゴールができるように準備しなければならない。