サッカー分析・サッカー観戦旅

海外サッカー試合、練習、情報、旅情報。

ビセンテ・カルデロンの下

こんにちは。

 

マドリードで盗難に遭って3日目。

 

この日は、ビセンテカルデロンアトレティコマドリードのホーム戦。

 

当日券が15ユーロであったら見ちゃおうかなと企んでいたけど、一番安くて30ユーロ。

チケット買ったら、パスポートの手数料払えなくなっちゃうから断念。

 

そしてスタジアムの下へ。

バーがあって、サッカーが見れるスペースがあった。

f:id:thorikawa0:20160522035502j:plain

 

そして、アトレティコの英雄、ルイス・アラゴネス

 

f:id:thorikawa0:20160522035620j:plain

 

選手としても監督してもアトレティコで活躍し。スペイン代表をユーロ優勝へと導いた。

来てみてわかる、アトレティにルイス・アラゴネスがどれだけ愛されているか。アトレティにとって、ルイス・アラゴネスの存在は偉大なんだろう。まさにレジェンド。

試合中もルイス・アラゴネスコールが起きていた。

ルイス・アラゴネスの名言が書いてある。

「勝って、勝って、勝って、再び勝つ!」

 

テレビ画面に目をやると、レアルマドリーの試合がLIVEでやっている。

 

アトレティたちは、ライバルチームの試合もじっくり見ていた。

負けろ負けろと心の中で、みんな思っているんだろう。

レアルがピンチになると喜び、盛り上がる。

レアルがチャンスとなれば、ブーイング。

チャンスを外せば拍手。

レアルが汚いファールをすれば、ヤジが飛ぶ。批判精神マックス。

老若男女、みんなレアルの敗北を祈っている。相手構わず、ストレートに思っていることを表現する。そして、はしゃいでるわけじゃない。みんな真剣そのもの。顔が本気だ。

 

レアルが勝って残念がるアトレティたち。

同じ街で、これだけ真剣にしのぎを削って戦っているから、嫌でも成長するわけだ。

これが、文化だ。ファンやサポーター、サッカーを好きな人みんなが文化を作っているんだ。

 

そして、アトレティコの試合が始まった。

 

僕の隣りでは、アトレティコファンのおばあちゃんが座って試合をみているんだが、

おしゃべりなんて一切なし。ずっと画面から目を離さない。真剣な眼差し。よーーーーく試合を観ている。

いいプレーには拍手を送り。悪いプレーをすれば、怒り、愚痴り、ヤジっている。

この人たちの年齢を考えれば、自分よりも90分の試合を観ている数は多いかもしれない。

これが文化だ。

おばあちゃんたちが、息子や孫と一緒にサッカーを観ていれば自然と伝わっていく。どんなプレーがいいプレーで、どんなプレーが悪いプレーか。

サッカーの見方を学ぶ。真剣に。試合に参加して。拍手を送り、批判をして。

 

試合は、温存されていたトーレスとグリーズマンが投入されてからチャンスが増え、グリーズマンのゴールでアトレティコが勝った。

 

スタジアムの下でも、熱いサッカー観戦がされている。ビセンテカルデロン、アトレティ、熱い。

 

そして、ホステルに戻ったら、バルサの試合がLIVEでやっている。

見る予定がなくても、スケジュール知らなくても自然と見れちゃう。

日本にいたら、なかなか1日に三試合なんか見れない。録画してたら、あとで見よう見ようで結局みれなかったりするし。他にも面白いバラエティ番組やドラマやっているから、そっちも見ちゃうし。街で、お店のテレビがついていても、無難にニュースとかでしょう。Jリーグついてても、回されそうな気がする。サッカーわかんなーいって感じで。

サッカー好きな自分が見ていても、みんサッカーでいいの?って思っちゃう。笑

 

しつこいようですが、

言わせてもらいますあのセリフ、

これが文化か!!

 

そしてそして、試合を観ていたら、「フリーパエリヤとサングリアあるよー!」ってホステルのスタッフが!

 

毎週土曜日のサービスらしい。

盗難に遭った僕の心を癒す、パエリヤとサングリアに感動。

粋だなーマドリード

 

お腹いっぱいパエリヤ食べて、就寝。

 

 

紙袋一つでマドリード

こんにちは。


マドリードで盗難に遭って、二日目。


パスポートの申請は昨日したので、今日はドイツのワーキングホリデービザについて、ドイツ大使館へ。


マドリードのドイツ大使館は、日本大使館から10分ほど歩いてたところにある。

日本でもそうだけど、大使館はある程度まとまった場所に集まっている。

ドイツ大使館に着き、一時間ほど待って、自分の番が来た。


まず言われたことは、当然のことだけど

「パスポート取得してから、来い」って!!

ってこと!笑


パスポート持ってきたら手続きするから、

今日はとりあえず先に必要な書類を書いておくということで、記入して終了。


パスポート取れたらまた来まーす、早くパスポート下りないかなー。

パスポートないからミュンヘンには帰れない。


でも、じゃあないならないで、マドリード滞在楽しんじゃえ!

ってことで、まずは丸三日着てる服がきもち悪すぎるから、服を買いに行こー!

まさか、マドリードでお買い物することになるとは。笑


パンツとTシャツと靴下とタオルと歯磨きと髭剃りがほしい。


でも万が一、警察にMacbookが抜かれたリュックが届いてるかもしれないと思い、一応警察に行って、


「Encontrasteis mi mochila?あなたたちは、私のリュックを見つけた?

(encontrasteis=見つけるという動詞encontrar の点過去活用。mi =私の。mochila=リュック)


と聞いた。


すると

「見つかってない。見つけたら連絡するといっただろ?なんで来た?」

と面倒くさそうに言う警察。


念のため確認しに来たんだよ!とスペイン語で言いたいけど、分からなかった。笑


リュックが見つかるという希望をすてないで、本当に最低限必要なものだけ買おう。


マドリードの中心地、ソル駅に着いた。

下着ってどこに売ってんだろう?

安いのはきっと、中国人がやってるお店とかなんだろうけど、その場所もわからないなーと思って歩いていると、さっそく下着屋さん発見!

女性の下着が売ってるお店だけど、男性用もありそうな雰囲気。


店に入って探してみると、あった!

2ユーロのトランクスパンツ。

そして、Tシャツ3ユーロも発見。

1ユーロ125円くらいだから、非常に安い。


1枚ずつに買って、

店員さんに、くつ下とタオルはどこに売ってるか聞いてみた。

「くつ下は、目の前のジャック・ジョーンズ

。タオルは店を出て右に行ったところあるよ。」

親切に教えてくれた。

グラシアス!


ジャック・ジョーンズでは、くつ下を二つで6ユーロ。

雑貨屋さんで2ユーロの小さめのタオルを購入。


そして、スーパーで歯磨きと髭剃り購入。


人間、本当に最低限の生活に必要なものを揃えようとすると、

まずはパンツとTシャツとタオル。

次に、歯磨きと僕は男なんで髭剃り。

そしてこの時代、必要不可欠な携帯の充電器。


これだけなんですね。これだけ。

これだけを、服を入れてもらった紙袋にまとめて歩く。

ポケットには、サイフとケータイ。


これだけ持って。紙袋だけ持って。スペインの首都マドリードの中心地を歩く日本人。


マドリードめっちゃ天気いいー。


おれ何してるんだろ。笑


本当に何してるんだろ。笑


紙袋だけ持って。笑


わらけてくる。笑


まだ明るい夕方だけど、早く着替えたいし、洗濯したいし、ホステルに帰ろう。


あ、チュロス売ってる!



f:id:thorikawa0:20160521091607j:plain



マドリードといえば、チュロス


盗難に遭って、あまりお金使えないけど、

マドリード楽しむって決めたから、

食べちゃえ!


チュロスを買って、ホステルに戻った。


アツアツのチュロスをあったかいトロトロのココアみたいなのにつけて食べる。チュロスは日本のよりは少し油っぽく感じるけど、チョコをつけて食べるから美味しい!



そして、

続いては

念願の、


着替え!!!!


みなさんは、毎日当たり前のように着替えをされてることでしょうから、着替えくらいでなにをいっているんだと思うでしょうけど、丸三日、着替えが出来ない人間がここにいるのです。


三日ぶりの着替え。

着替えができる幸せを噛み締めよう。


シャワーを浴びた後、新品の服に着替えた。


んーーーー、着替えって気持ちいいな。


着替えって大事。

着替えって素晴らしい。

着替えに感謝。

ビバ着替え。


今日はこの新品の服。ゆっくりと堪能しよう。


明日は、ビセンテカルデロンアトレティコの試合がある。

お金はないけど、当日券安かったら見ちゃおうかな。15ユーロなら見てもいいだろう。

マドリード楽しむってきめたからなーーーー。笑








マドリードのホステル

こんにちは。


盗難に遭い、パスポートの再発行手続きを済ませて、サイフとiPhoneだけ、手ぶらで街に繰り出したところ。


とりあえず、iPhoneの充電器を求めてデパートまで歩く。

充電器を購入し、またもやスタバに。フリーWi-Fiとても便利。


そして、知り合い二人にメールで連絡。

クレジットカードがあるといえども、ホステルに泊まるのも安心できない心境になっていたから、知っている日本人のところにお世話になりたい。ご迷惑とはわかっていたけど、とりあえず連絡してみた。


21時。スタバでうとうとしながら、連絡を待っていたが、二人ともお仕事が忙しいのでしょう、連絡がない。


これは、ホステルを予約しよう。今日も外で過ごすわけにはいかない。


5日分のホステルを予約。昨日一晩寝ていないから、はやくゆっくりと眠りたかった。


メトロと徒歩で、ホステルに到着。

ぼくが泊まったホステルは、

La posada de huertas 

です。

f:id:thorikawa0:20160516210647j:plain

マドリー市内では、一番、二番に安かった。

一泊15ユーロ前後。キッチン付きなので、料理をすることもできる。キッチン付きのホステルはなかなかない。


ミュンヘンのホステルと違ったことがあった。ミュンヘンでは、デポジット20ユーロ、1日1ユーロでロッカーの鍵を借りて使用することができる。マドリードでは、部屋の鍵がそのまま個人のロッカーのカギになっているので、鍵を借りることなく、ロッカーが使える。マドリードでは個人ロッカーは必須サービスということ。それだけ盗難が多いのだろう。

またコンセントが各ベットに一つずつ付いてるところが便利。

ミュンヘンではベット一つ一つには付いていなかった。

ホステル一つ一つに、その国のその街の個性が出ていて面白いなと思った。


シャワー浴びてすぐに寝よう。

着替えはないけどしょうがない。もうお店も閉まってる。

明日、着替えを買おう。

まずはシャツとパンツと靴下とタオルが必要だ。

マドリードでお買い物することになるとは。

こうなったら、クレジットカードでマドリードのお買い物を楽しもう。

うん、楽しもう。


それと、明日は午前中にドイツ大使館にいかなくては。ドイツのワーキングホリデービザを取得しなければ。

日本人が、スペインで、ドイツのビザを取得する、どういうことやねん!!


皆さま、おやすみなさい。

マドリードの警察・日本大使館へ

こんにちは。

 

マドリードで盗難にあった僕は、まず警察に。

少し大きめの警察に到着。

5ヶ月間、バルセロナで学んだスペイン語を駆使して説明。

Me han robado mi mochila. 

私のリュックが盗まれた!

 

今すぐ警察が動けばとり戻せるんじゃないか。家の場所もだいたいわかっているし、泥棒の容姿もスーパーの監視カメラにはっきりと映っていたから。ぼくは事情を説明したら、すぐに警察が動いてくれるかと思った。

しかし、警察はまったく動かない。

「なにをやってるんだよ⁉︎早く一緒に現場に行ってくれよ!!」

「どうした?落ち着いてくれよ。日本の警察はそんなに早いのか?おれたちは動かない、アナウンスをして外でパトロールしてるやつらが動くんだ。」

冷めた感じで言う警察。

 

ほんとかよー。

 

日本で盗難に遭ったことなんかないからわかんないわ!!

 

と思いながら、待ち合い室に座る。

きっともう取り返せないんだろうなー。

 

しばらくして、部屋の中へ呼ばれて事情聴取開始。

 

自分の個人情報や盗まれた物、盗まれた状況、犯人の特徴などなど、全てスペイン語の質問に、スペイン語で返す。

語学学校で学んだスペイン語がめちゃめちゃ活かされてるいる。笑

時々分からない単語があるが、ほとんど聞き取れるし、話すことができた。

 

盗難証明書のコピーを受け取り、事情聴取終了。

終わりだ!と言う警察。

やってくれることは紙切れ一枚か。

本当にパトロール隊にアナウンスして動いてくれるのか。

やり切れないまま警察を後にする。

 

スーパーに戻って、優しい警備員のおっちゃんと話をした。

 

まずは日本大使館に行った方がいい、電話してごらん。

 

電話繋がらないし、iPhoneの充電ないから調べられないよーー。

 

すると優しいおっちゃんは、自分で調べてメモを書いてくれた。

大使館の住所、最寄駅。

 

電話も貸してくれようとしたが、おっちゃんの持ってる携帯は会社のものだから、使えないと言って、公衆電話の場所も教えてくれた。

iPhoneの充電器も貸してくれる優しいおっちゃん。

 

気がつけば、朝の7時ごろになっていた。

 

泥棒やろうたちと会ったのが3時ごろだったので、4時間の出来事だったが、12時間くらい経ったように感じた。それくらい頭の中がパニックになったし、エネルギーを使っていた。

 

大使館に行くにはまだ早いし、自分で家を突き止めて、なんとかしようと思い、家を探し回った。

泥棒やろうたちの家は、どっちもスーパーから歩いて1分もしないところだった。

方向もだいたい覚えているし、歩いた道もだいたい覚えてる、番地も記憶しておいたはずなのに、探しても探しても見つからない。

どこも似たような道と似たような建物。

全部同じ色と形のマンションだから分からない。

三つくらい、記憶と一致する玄関があったので入ってみても、中が違う。エレベーターの位置が違う。

4階だったから、4階に行ってみても違う。

 

一時間以上探しても見つからない。

もうすでに、Macbookは売られてるかもしれない。

 

そうだ、とりあえず大使館にいこう。

 

メトロに乗って、15分。

徒歩で10分。

日の丸の国旗が揺れる、日本大使館へ。

あー日本だ。

 

さっそく、受付の人に事情を説明。

 

「場所はどこですか?」

「Lavapies (ラバピエス)です。」

 

「あー完全に治安の悪いところですね。あそこは危険ですよ。」

「そうだったんですね。知らなかったです。」

 

「それで、パスポートの再発行なんですが、戸籍の原本が必要になります。日本の家族と連絡を取って、戸籍を大使館宛てに送ってもらってください。日本からドイツに届くのが、4日くらいかかりますが、戸籍のコピーと発送したことが証明できるものはFAXして頂ければ、パスポートを発送することもできます。ただ、今日は木曜日で今ドイツは10時で時差が7時間ありますから、日本の役所は閉まっています。そして運の悪いことに、明日、日本は祝日です。土日を挟んで月曜日はここ日本大使館が休みです。よって最短でも火曜日に再発行されることになります。また、再発行の手数料は、5年が80ユーロ、10年が120ユーロです。」

 

まじかよ⁉︎

今日ミュンヘンに帰るはずが、

4日も伸びるのか!

 

帰りの航空券もムダになるし、マドリードにいてはバイトもできないし、金を消費するばかり。

最悪だー。

 

でももうしょうがない。こうなったらお金を切り詰めながら、マドリード滞在楽しんじゃおう!アトレティコマドリーやレアルの練習場に行っちゃえ!ラッキーじゃん!

とアタマを切り替える。笑

 

そして、必要書類を記入しながら、iPhoneの充電器を借りてまたもや充電。

本当にありがとうございます。

 

そして、スタバにいってWi-Fiを使い母親に連絡するため、パスポート用の証明写真を撮るために一旦大使館を出た。

 

スタバに着いて、母親に事情を説明。

しっかりやっておくよーということでOK。

ご迷惑をおかけします。

 

そして、日本を出る前に加入した、ドイツの保険会社ステップインさんにスカイプした。

 

盗難に遭ったことを伝えると、

航空などは保険の対象にはならないが、

取られた物は全て保険の対象になるとのこと。

領収書があるものは、領収書を日本から送ってもらう。領収書がないものは、買った場所と日付と買った時の値段を記入すれば、入金されるものもあるという。

また、パスポートの再発行手数料も保険の対象になる。

僕の持ち物で一番高かったものは、Macbook

Macbookは13万ほどで買って一ヶ月もしてないから、全額とは言わないでも多く返ってくるのではないかということだった。

とりあえず、一安心。

保険に入っていてよかったと実感。

 

そして一番感動したのが、ステップインのスタッフの方の電話対応。

もう神でした。神対応神対応

優しく、親切で、わかりやすく、的確な対応。聞き取りやすい声と話し方。盗難にあってボロボロの僕の心を包み込む温かさ。こんな神対応初めて。

この神対応を受けるために、また盗難に遭ってもいいんじゃないかというほど。

盗難に遭ってよかったと言っても過言ではないほどの感動。

 

そして、スタバを出て写真屋さんで証明写真を撮り、大使館へ戻る。

 

記入が必要な書類を全て書き終えて、

手続き終了。

「今晩泊まれるところはありますか?

お金は大丈夫ですか?

受付の人が気遣ってくださった。

「知り合いがいるので、連絡してみます。現金は120ユーロほど、あとクレジットカードがあるので、なんとかなると思います。

ありがとうございました。

 

次は火曜日の午前中に、パスポートを撮りに来ることになった。

 

さぁ、サイフとiPhoneだけのマドリード滞在が始まる。

んーどうしよう。

とりあえず、iPhoneの充電器買わなきゃ。

そして、以前マドリード滞在でお世話になったTさんと、もう一人の知り合いのOさんに連絡だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マドリードで盗難に遭う⁉︎(3)

こんにちは。


マドリードで盗難に遭う⁉︎(2)の続き。


「家に泊めてあげるよ!」と声をかけてきた、見知らぬ二人の家に着いたところ。


ソファに座って、三人で喋っていた。

よく喋る方の男が、

「自分もサッカー選手を目指していたんだけど、交通事故に遭って怪我をしてしまってから、全然いいプレーができなくなって、ダメになってしまったんだよ。」

と言って、傷跡まで見せてくれた。

可哀想に大変だったんだなと感情移入してしまう僕。

サッカーが好きなだけで、気持ちが通じ合う、なんて思ってしまった。


そして、

もう一人の男が

「もう寝ていいよ。それともディスコに行く?」

と言った。

僕は「もう寝るよ。」と言ったが、

ディスコに行きたそうな二人。


もしもこの二人がいい奴らだったとしたら、三人でディスコに行って遊んで帰って、次の日バイバイして、またマドリード来る時には、連絡してよ!なんてなったら最高だなと思った。

それに、もし二人が本当にいい奴らだったら、信じない僕はなんか嫌なやつだなとも思えた。

このまま寝て無難に朝を迎えるのはつまらない。荷物を盗まれる可能性はあるにしても、楽しく遊んで無事に帰って来れるなら、それのほうが面白いなと思った。ワクワクと好奇心が勝ってしまう。安全より冒険を選んでしまう。

まぁ、裏切られてもいい!信じてみよう!


僕は、財布とiPhoneをポケット入れた。

んーーーーパスポートはどうしよう、持って行こうかな、いやいっか。


そして、二人に向かって言った

「confianza (信頼)」

二人も繰り返した

「confianza (信頼)」

僕はもう一度

「confianza 」

二人ももう一度

「confianza」


そして、僕はMacbookとパスポートの入ったリュックを見知らぬ男の家に置いて、外に出た。

もし逃げられそうになっても、この二人を取っ捕まえればいいやと思いながら、歩いていた。

10分ほど歩いてディスコに着いた。


下のフロアに行ったり、外にタバコを吸いに行ったり出たり入ったりを繰り返していた。

その間に、彼らは友達と会って話をしたりしていた。

二人に逃げられないよう、常に視線を外さないように。

10分ほど経って、

よく喋る方の男が、友達だよと言って、ブラジル人の女性を紹介して来た。そのブラジル人女性は、僕にハグをして、そのまま話しかけてきた。

その瞬間、ヤバイっ!

目を離した!と思って、二人の姿を探した。

いないっ!!

ディスコの外に出て探してもいない!

そこに男たちの友だちがいたので、二人はどこにいる?と聞いてみた。


「タクシーに乗ってどこかへ行ったよ。」


最悪最悪最悪最悪。

やられた。


「二人の家に、リュックを置いてきたんだ!Macbookが入っていて、大事なんだ!」

とその友達にいった。

その友達は、よく喋る方の男に電話してくれたが出ない。「きっと家に帰ったんだよ。家を知ってるから案内するよ。」

と言って案内し始めてくれた。


ほぼ諦めながら、歩いた。

この友達二人が、本当にリュックがある家まで、送り届けてくれればまだ取り返せる可能性はあるかもしれないが。


そして、その家の下に着いた。本当にこの家か定かではない。なんとなくあってるような合ってないような。

インターフォンを押すが結局出ない。

その友だちたちも帰ってしまった。

このまま家の前で待つか、

いやすぐに警察に行った方がいいなと思い、

すぐ近くにる最初に立ち寄った24時間のスーパーに警察の場所を聞きに行った。

そして、そこにいた警備員のおじさんに全て話した。

二人の男の名前を言うと、警備員のおじさんは「カルテティスタ」と言った。


カルテティスタってなにかと言うと




スリです。笑


はい!確定!!やっぱりあの男二人スリでした。


リュック丸ごとやられました。

買って一ヶ月のMacbook、パスポートやられました。


もう最悪最悪最悪でした。

イライラと絶望感。

人に騙される、人に物を盗まれる、

ってこういうことかと。

自分が大事にしているものが盗まれるってこんな気持かと。

そして、リュック一つで日本からやってきた僕はたった5日目で、着替えも生活用品も全て失いました。

着てる服と靴と財布とiPhoneだけで、マドリードにいることになりました。笑

財布とiPhoneがあるだけ救いですが。


絶望の中、マドリードの夜中4時、歩いて警察に向かうのでした。

なんて自分は、バカなんだろう。

見知らぬ人に付いていって、信じて、騙されるなんて。浮かれていた。完璧に浮かれていた。


マドリードで盗難に遭う⁉︎(2)

こんにちは。


マドリードで盗難に遭う⁉︎」の続き。


僕のマックブックが、狙われてる予感がしてきたところ。

二人が、「クラブに行こう!フィエスタ(パーティー・お祭り)だ!」

言い始めた。

マドリードでクラブに行ったことがなかったので、軽く見てみるくらいならいいかなと思い、一緒にいくことした。リュックは、絶対に身体から離さないぞと思いながら。


スーパーを出て歩き出したら、

「リュック邪魔だろう?うちに置いておいた方がいいよ!充電もできるし!」

と二人がまた言い始めた。

それは絶対できないだろうと思っていたら、

家の鍵を見せて

「うちはすぐそこだから行こう!」

と一人の男が言った。


本当は家なんか持っていないだろうと思い、家だけでも見てみようと玄関まで行ったら、

男の持っている鍵で玄関が開いた。 

この鍵はどうやら本物のようだ。

すると男が、

「家族が寝てるから、リュックは僕が置いてるくるよ!」

言った。


無理無理!!絶対にそんなの無理!

と思ったので、そのまま玄関を出て、二人に別れを告げて、離れようとした。

「君たちのこと信じられない。荷物を置いて、クラブに行って、気がついたら君たちは姿を消して、僕の荷物を売るんだろう!

僕は分かってる!」


そして、彼らと離れて歩き始めた。

10メートルくらい離れた時、一人が追いかけてきて、

「僕たちを信じてよ!分かった!クラブには行かない!外は寒いし、雨が降ってるし、家で寝ていきなよ!彼は一人暮らしだし、入っても問題ないから、彼の家に行こう!」

と言われ、もう一人の男の家に連れて行こうとする。

いい奴なんだか、悪い奴なんなだか、きっと悪い奴なんだろうけど。


また、家だけでも見ていいかなと思い、付いて行った。

1分ほどで着いた。


マンションの玄関を開けて入る。住所の番地は、12番だった。

エレベーターに乗って、4階。

部屋の鍵も開けて家の中へ。

こちらの家もどうやら本物のようである。

家に入ったら、ボコボコにされるんじゃないかと、警戒しながらリビングまで来た。

そして、三人でソファに座った。

また一人の男が

「ほら!本当でしょう⁉︎安心して!ここで寝ていいから!外は寒いし雨が降ってるし、よくないよ!」


家も本当だし、なにもされないし、本当にこの二人はいい奴なのか⁉︎

部屋に入って、ふっと落ち着いて、警戒心が薄れたのは間違いなかった。




マドリードで盗難に遭う⁉︎

こんにちは。


念願だった

アトレティコマドリー

バイエルン・ミュンヘン

チャンピオンズリーグ準決勝、初観戦後の話。


ビセンテカルデロンの雰囲気とアトレティコの強さと気迫と一体感に浸っていたが、泊まる場所を予約していなかったので、とりあえずWi-Fiを求めて彷徨っていた。

来る前から、泊まる場所はその時きめよう、泊まるところなかったら、24時間のマックで徹夜だな、なんて考えていた。

歩いていたら、街のWi-Fiが急に入ったのでマックを検索。

マドリードの中心地に、24時間のマックを発見。とりあえずそこに行こうと決めて、歩いてた。

すると、お店の外にテレビがあるバル(スペインの飲み屋)を発見。

さっそく、今日の試合のハイライト映像が流れながら、何人かが試合について討論をしている番組。

こういうところに、サッカー文化を感じる。

試合直後に、ゲームを分析し、批判したり、話し合ったりしている。

ラームが試合中にどの位置でパスをもらったか、すべてのデータが出されたり、

両チームのパスの方向のデータが、効果的なパス、普通のパス、後ろ方向のパスなど、3つの色に分かれて、図で示されている。

とても専門的な内容。日本でサッカーが好きな人や指導者をやっている人でさえ、なかなか見ることのないデータ。


日本では、試合が終わった直後にこのような内容の番組がやることはない。

ニュースやドラマやバラエティーなど、サッカーではない番組が流れる。

強いていえば、ワールドカップの日本代表の試合のあとに、その試合の内容を振り返った番組が、やることはある。

しかし、試合内容のデータや討論についてはやらない。


WEFAチャンピオンズリーグと同等のアジアチャンピオンズリーグで、日本のクラブが戦った時なんて、数秒のハイライトが放送されるだけ。そもそも生中継されることもあまりない。

ここまでサッカー文化に差がある。大きな文化の違いがあるのだ。  


日本でもこんな番組が放送開始されるのは時間の問題だろうと希望を持ちつつ、

気がつけばバルの中へ。

ピンチョスとビールを相棒にその番組を見た。

最高だな〜、たまんらないな〜と思いつつ

スペインの定番料理と試合直後のサッカー番組を楽しんだのち、

マドリード中心地のマックへと向かった。


マックに到着。注文を済ませ、このままサッカー情報を見たり本を読んだりして、徹夜して朝を迎えようともっていたのですが、

店員さんから

「24時間営業は、お持ち帰りだけです。

フロアは2時で締めますので、お願いします。」


ということで、行き場もなくマドリードの街を彷徨うことに。


歩いていると、雨が降ってきた。寒さをそれほど感じることもないマドリードの4月末の夜。

Wi-Fiが使え、屋根があるところを発見。

そこら辺の通りに座りこみ、もう3時だし、このまま朝を迎えようと考えていた。


すると、「ホテルないの?雨が降ってるし、寒いし、空いてるホステルあるから教えてあげるよ!」と話しかけてきた、綺麗な格好をした若者二人。

彼らは、アトレティコマドリードのファンのようで、今日の試合を観に行っていたらしい。

サッカーの話で盛り上がり、とても感じのいい二人。僕は、久しぶりにスペイン語で話ができて楽しかった。久しぶりのスペインは楽しいなと、チャンピオンズリーグの試合のあとで完全に浮かれていた。

僕はその見ず知らずの二人に付いて行ってしまったのだ。


10分ほど歩いてから、目的のホステルらしいところに着いた。インターフォンを鳴らしても誰も出ない。

「空いてないやー!」

と二人は言って、そのまま24時間営業のスーパーに行った。イートインスーペスがあり、座ることもできる。

ここなら寒くもないし、室内だし、いいところを教えてもらったなと少し警戒心が薄れた。

そのスーパーはWi-Fiも繋がったので、僕はiPhoneでホステルを探し始めた。

電池が8%しかなかったので、マックブックをリュックから出して充電。

すると一人が「充電ないじゃないか。明日飛行機で帰るんだろう?充電ないのは良くない。うちに来て充電しなよ。家には彼女がいるから、彼女に荷物は見てもらっておいて、ディスコにでも行って戻って来れば、充電完了だよ!」

と言い始めた。

「完璧におれのマックブック狙われてる!」

盗難の予感が、プンプンとしたのである。